2019年4月16日

『やさいのがっこう ピーマンくんゆめをみる』【今日の絵本だより 第45回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『やさいのがっこう ピーマンくんゆめをみる』
なかやみわ/作 白泉社 本体1200円+税

4月19日は、食育の日。
子どもが嫌いな食べもの、無理強いはしたくないけれど、どうにか親しんでもらえたら……と思うのも、やっぱり親心。
そんなときは、たとえば絵本で、そのきっかけづくりはいかがでしょう。

『やさいのがっこう ピーマンくんゆめをみる』は、今も昔も、子どもが苦手な野菜の上位にランクインするピーマンが主人公。
苦みのきいたキャラクター、ではなくて、このピーマンくんはのんびりマイペースな男の子。
やさいのみんなが通う学校の、始業のチャイムにあわててすべりこみ、授業中もこっくりこっくり。
でも、隣の席のはくさいくんが、おいしいやさいになった印の「ごうかくシール」をもらって学校を旅立つ姿を見て、一念発起します。
いつか見た憧れの、赤や黄色の大きなピーマンみたいになれるよう、自分では頑張っているつもりですが……。
やっぱりすぐに、こっくりこっくり。
ピーマンくんが晴れて「ごうかくシール」をもらえる日は、くるのでしょうか?

『ピーマンくんゆめをみる』を読んで、すぐピーマンがパクパク食べられるように、なんてうまくはいかないかもしれませんが、今まで素通りだったかもしれないピーマンに、親しみがわくのは間違いなし。
「がんばるぞ!」と言いながら、すぐまたいねむりしてしまうピーマンくんが、なんとも子どもそのままらしくて、かわいいのです。

 「やさいのがっこう」シリーズは、『とまとちゃんのたびだち』『ピーマンくんゆめをみる』『とうもろこしちゃんのながいかみ』の3冊が好評発売中。
いずれもはさみこみ付録で「食育しんぶん」がついていて、中には親子でためになる豆知識がいっぱい。
ピーマンくん以外の、いろんなやさいのお友だちにも注目です。
姿かたちもさまざまなみんなが、そろって勉強や体操、日光浴をしている姿が、とても愛らしいんですよ!

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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