2019年4月6日

『おおきくなるっていうことは』【今日の絵本だより 第43回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『おおきくなるっていうことは』
中川ひろたか/文 村上康成/絵 童心社 本体1300円+税

3月中は、保育園、幼稚園、小学校にちなんだ絵本を3冊続けてご紹介しました。
今回は入園・入学だけでなく、進級時にもぴったりな絵本、『おおきくなるっていうことは』をご紹介します。

おおきくなるって、どんなことでしょう。
「おおきくなるっていうことは
 ようふくが ちいさくなるってこと」
「おおきくなるっていうことは
 あたらしい はが はえてくるってこと」
子どもにもわかりやすい、等身大の言葉と明るい絵が、ゆったりしたテンポで並びます。

それから、
「おおきくなるっていうことは
 あんまり なかないってこと」
「おおきくなるっていうことは
 おもしろいことが
 どんどん みつけられるってこと」

誰にでもわかりやすい体の発達や、「なるほど、確かに」とうなずく心の成長。
いろんな「おおきくなるっていうこと」の例が、次々と続きます。
新入園や新入学といった特別な区切りでなくても、新しい春が来るごとに、みんなまたひとつおおきくなる。
ハレの日ではない毎日の中でも、少しずつ、確かに、おおきくなっていく。
それは大人になった自分たちも、同じなのかもしれません。

「おおきくなるっていうことは
 ちいさなひとに やさしくなれるってこと」
さりげない言葉が、しみじみと胸にしみてきます。

この絵本は、『さつまのおいも』でもおなじみ、「ピーマン村の絵本たち」シリーズの一冊。
園の一年間の行事にちなんだ、12冊のラインナップです。
『おおきくなるっていうことは』は、今年で刊行20周年を迎え、累計50万部。
2月から全国の書店で、「のびのび身長計」付きの『おおきくなるっていうことは』が販売中です。
数量限定での販売なので、出会えたらラッキーですよ!

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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