2019年3月28日

『ちゅんたろうのしょうがっこうたんけん』【今日の絵本だより 第41回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『ちゅんたろうのしょうがっこうたんけん』
田島かおり/作 白泉社 本体880円+税

いよいよあと数日で4月、新年度の始まりですね。
初めてお子さんが小学校に入学するおうちでは、ママやパパもそわそわではないでしょうか。
そんなご家庭にちょうどおすすめなのが、kodomoeから生まれた絵本、『ちゅんたろうのしょうがっこうたんけん』です。

表紙は、空を飛んでいるすずめのちゅんたろう。
下を見て
「なんだか にぎやかな
 ところが あるよ」
と近づいてみると、そこは、子どもたちがたくさんいる小学校でした。
校庭では、赤い帽子と白い帽子の子がドッジボール。
楽しそうな様子にひかれて、校舎の中をのぞいてみると、一年生が算数の授業をしています。
教室の水槽にいるかめさんは、子どもたちと毎日一緒に勉強しているから、すっかり物知りなんですって。
その後は、おいしそうなにおいでいっぱいの、給食の時間。
お昼休みには、みんなおしゃべりをしたり、本を持って教室を出ていく子もいます。
ちゅんたろうがついていくと、やってきたのは部屋中に本がいっぱいの図書室でした。
「ぼくにも ほんが よめるといいのに」
と、ちゅんたろうはうらやましそう。

保育園や幼稚園よりも、広くて大きな小学校。
初めて会うお友達に、背の高い上級生。
今までは園で一番お兄さん、お姉さんだったのに、学校では一番小さい子に逆戻り。
子どもたちにとって新入学は、わくわくよりも、どきどきがいっぱいかもしれません。
そんなとき、新しい場所を前もって知っていることが、小さな心の支えになることも。
この絵本を開けば、読者もちゅんたろうと一緒に、教室、図書室、音楽室、小学校の中のいろんな場所を探検しているような気分になります。
一年生のみんなが、元気いっぱいなお顔で、またいいんですよ。
こんなにいきいきした笑顔がたくさん、学校って楽しそうだなあ、と、保護者もほっとしてきます。

新しい世界への第一歩、みんなも笑顔で踏み出せますよう、応援しています。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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