2018年12月7日

連載【第20回】今日の絵本だより『おおきいツリー ちいさいツリー』

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kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、
ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめして
いきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『おおきいツリー ちいさいツリー』
ロバート・バリー/作 光吉夏弥/訳 大日本図書 本体1300円+税

 

街の中のあちこちに、クリスマスツリーが見られる時季になりましたね。
12月7日は、クリスマスツリーの日。
1886(明治19)年のこの日に、日本ではじめてのクリスマスツリーが横浜に飾られたことから、制定された日だそうです。

『おおきいツリー ちいさいツリー』は、ウィロビーさんの立派なお屋敷に、山のてっぺんから切り出したツリーが届くところから始まります。
それは青々とした、見たこともないような大きなツリーで、ウィロビーさんは大喜び。
ところがあまりに大きすぎて、大広間の天井につっかえて曲がってしまいました。

そこで執事が、つっかえたツリーの先をちょんぎります。
切られた先っぽは、小間使いの部屋に飾られることに。
ところが小間使いの部屋でも、先っぽが天井につかえたので、ちょきん。
外に捨てられた先っぽを庭師が拾いますが、庭師の小さな家でも、また先っぽをちょきん。
窓の外に捨てられたそれをくまが拾い、またまた……。
くま、きつね、うさぎ、ねずみ、ぽいっと捨てた側が知らない内に、
どんどん続いていくツリーのおすそわけ。
もう先を切る分もない、小さな小さなツリーが似合うねずみの家。
「ちょうど いい おおきさだわ!」
とおかあさんねずみは喜んで、みんなでツリーのてっぺんに、
チーズのお星さまをつけました。

その次のラストのページに、あら! うれしくなる光景が。
ウィロビーさんの大広間から始まった思わぬ幸せは、いくつものおうちを経て、
くるりとひとめぐり。
「ツリーって、ほんとうに いいものですね。」
という言葉に、うんうんとうなずいてしまいます。
原題”Mr.Willowby’s Christmas Tree”(ウィロビーさんのクリスマスツリー)を
『おおきいツリー ちいさいツリー』とした光吉夏弥さんの訳に、なるほど、と感服です。
おおきいツリーも、ちいさいツリーも、みんなに笑顔を運んでくれる。
ちなみに光吉夏弥さんは、「ひとまねこざる」シリーズなども手がけた名翻訳家です。

発売中のkodomoe12月号連載「季節の絵本ノート」では、『おおきいツリー
ちいさいツリー』も含め、クリスマスツリーの絵本を計5冊ご紹介しています。
1歳の子から楽しめるツリー、動物たちが森の中で飾るツリー、
いろんなツリーを絵本でお楽しみください。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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