2018年11月2日

『がんばれ ちびゴジラ』【今日の絵本だより 第13回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『がんばれ ちびゴジラ』
さかざきちはる/作 講談社 本体1300円+税

11月3日は、文化の日。
そして、ゴジラの日。(なんですよ!)
来年、2019年はゴジラ生誕65周年。
日本映画界の伝説の存在に、このたびかわいいニューヒーロー「ちびゴジラ」が誕生しました。

ぼくは つよくて おおきい ちびゴジラ
ひを ふけるんだ
ゴーッ!

と、勇ましいちびゴジラなのですが、
石につまずいてころんでは、
ひっくひっく。
木にぶつかっては、
えーんえーん。
そのたびに、口から炎が
ボワッ!
ボーッ!
と出てしまうのです。

ああ、これは、いろいろままならぬ2歳児くらいのママやパパが読んだら、ばっちり共感ではないでしょうか。
強いつもりが、実は泣き虫さん。
自信満々なのに、ほんのちょっとしたことで泣いちゃって。
泣くたびに、火まで噴いちゃって。
でもね、全然いいんだよ。

元気な子どもそのもののちびゴジラが、読むたびに愛しくなるお話。
ラストには、ちびゴジラの炎でなんとも素敵なことが起こるのですが、それはぜひ絵本で見てくださいね。
シンプルでリズムのよい文章も、小さな子への読み聞かせにぴったりです。

作者のさかざきちはるさんは、JR東日本Suicaのペンギンや、千葉県マスコットキャラクター「チーバくん」、ダイハツ「カクカク・シカジカ」などのキャラクターデザインでもおなじみです。
発売中のMOE12月号でも、『がんばれ ちびゴジラ』発売にあたって「注目の作家インタビュー」でさかざきさんにお話を伺っています。
あの迫力ある本家ゴジラから、どうやってちびゴジラが誕生したのか、その秘密をぜひ記事でご覧ください。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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