2018年10月29日

『モリくんのハロウィンカー』【今日の絵本だより 第12回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『モリくんのハロウィンカー』
かんべあやこ/作 くもん出版 本体1200円+税

今週もまだまだ続く、ハロウィンムーブメント。
前回に続けて、ハロウィンの絵本をもう1冊ご紹介します。

『モリくんのハロウィンカー』の主人公は、こうもりのモリくん。
モリくんは、野菜やくだもので車を作るのが大得意。
ハロウィンにはりきって作ったのは、大きなかぼちゃのランタン型の、特製ハロウィンカーです。
そこへ、ねずみのきょうだい、かえるくん、きつねさん、いつもの仲間が思い思いの扮装をして集まりました。
モリくんがハンドルをにぎって、みんなが乗り込んだら、さあ出発です。

♪こんやは ハロウィン
  どきどき ハロウィン
  おかしを おくれ
  たくさん おくれ
  くれなきゃ いたずら
  うんとする♪

森の家々を回って集まった、たくさんのおいしそうなお菓子。
先に車に戻ったねずみのきょうだいが、
「ひとつだけ…」
「うん ひとつだけね…」
とつまみぐい。
あっと気づいたときには、残りはほんのわずか。
残念がる他のみんなに、ねずみたちは
「ぼくたちが また おかしを もらってくる」
と飛び出していきますが、暗い森の中でおばけにかこまれてしまい、大ピンチ!

お菓子をほんのちょっとだけのつもりが、ついついとまらない。
子どもたちも、きっと共感ですよね。
モリくんたちがハロウィンカーで駆けつけ、ねずみのきょうだいはピンチを脱出。
お菓子はなくなってしまったけど、みんなの無事を祝って、モリくんお手製のかぼちゃのスープで乾杯です。

モリくんシリーズは『ハロウィンカー』の他にも、『おいもカー』『りんごカー』『すいかカー』『いちごカー』『あめふりぴーまんカー』の計6冊が発売中。
モリくんが車に使う食べものや、みんなで車で行く風景に、春夏秋冬、それぞれの季節の空気がたっぷり感じられます。
車好きのお子さんはもちろん、絵本で季節を感じたい大人にもおすすめのシリーズです。
そうそう、『ハロウィンカー』のカバー袖には、切りとって使える変装用メガネ3種つき。
モリくんメガネも、ついてますよ。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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